見えないデザイン。
MB(むっくベーシック)家具シリーズの中の「ヌキ」というテーブルです。メープルの無垢の板材だけで構成され、下に一本ウォルナットの貫が入ったシンプルなテーブルです。で、このテーブルにほとんどの人が気づかない仕掛けがあります。このテーブル、実はノックダウンなのです。大きな家具というものは、製作上あるいは輸送上、パーツに分けられて最後に簡単に組み立てられるのが、いろいろと都合がいいのです。(大きなモノを塗装したり仕上げたり、階段を抱えて運んだり、ということを想像するとわかります)。但し、その為に、外から組んだボルトが見えたりすると一気にチープな家具に見えてしまいます。で、この「ヌキ」テーブル、構造上必要な貫を組むのに、外からボルトで止めていますが、最後に貫と同じ断面のパーツでカバーされ(簡単にマグネットでパチッと)、見た目は、あたかも中の貫が貫通してるようにみえます。ほとんどの人が気づかないこの仕掛け、このテーブルのデザインに費やされた時間の大部分は実はここでした。プロダクトのデザインというのはカタチを考えるだけでなく、こんなことなんです。
見えないデザインを考える‥、報われない仕事だよなぁ(笑)。 2箇所のボルトの間にマグネットを仕込んで。貫の木口を何ミリ出すか?マグネットの強さは? 試行錯誤しました。
見えないデザインを考える‥、報われない仕事だよなぁ(笑)。
by hararaex
| 2007-09-05 11:28
| 家具の事